幼なじみ

もしも人生やり直すなら

高校時代に戻りたい。

中学はもういいや。
というか、あまり思い出したくない。

高校時代に、バンドをやりたかった。
音楽センスは、ゼロだけど、
ギターを弾けるようになって、
気持ちの整理、鬱憤晴らしに素敵な音楽を奏でたかった。
軽音には、気になる男の子もいた。
ただ、軽音のノリにはついていけないと感じてた。

私は比較的お堅い性格だったから、
インターハイを目指して努力する運動部に入った。
何とは言わないけれど。
それはそれで楽しかったけれど、
何か、足りない気がしていた。
勉強かもしれないし、恋愛かもしれないし、
趣味や、芸術的な感覚なんかは、全て足りていなかった。
何かがしたくて。
一つの道を極めることに飽きていたのかも。

きっとそんなもんだ。
後悔しない生き方なんて出来ないものなのかも。


私には夜の世界で働く友達がいた。
彼女とは小学校からの幼なじみで、
私は昔から、引っ込み思案で勉強が出来なくて、親や教師を困らせる彼女の事をひどく心配していた。
その一方で、彼女はどんどん変身していった。
彼女は、メイクを身につけ、髪を染め、彼氏をつくり、今時の女の子になっていた。
見た目は見違えるように、おしゃれになった。
性格も落ち着き、大人の気持ちが分かる女に成長していた。

私は羨ましかった。
女として生まれた武器を若いうちに存分に発揮して、楽しくくらしている彼女が。
運動や勉強や、そういうものから離れて生きる彼女が、羨ましかった。

そんな彼女の口癖は、
結婚したい。子供が欲しい。

だけど、彼女は病気になった。
聞くところによると、一生薬を飲み続ける必要があるらしい。
そんな病気は私にはあまり思い付かなかったけれど、やっぱり気になるのは、あの病気。

今、どうしているだろうか。

連絡をとりたいけれど、
躊躇われる。

電車のなかで、
昔話を徒然と。